厚生労働省は21日までに、07年度の全国の旅館・ホテルの営業施設数と客室数をまとめた。それによると、今年3月末現在の旅館数は5万2259軒、客室数は82万1870室となり、前年度に比べ、それぞれ1811軒、2万623室減少した。対して、ホテルは9427軒、76万5482室で、262軒、4万4384室の増加。旅館の倒産や廃業は今年度に入っても続いており、このまま推移すると、旅館数の5万軒割れ、旅館とホテルの客室数の逆転もありえそうだ。
旅館・ホテル、簡易宿所、下宿を含めた「旅館業」の営業施設数は全国で8万5503軒。前年度比1250軒減だがそのほとんどは旅館によるもの。
旅館数は80年の8万3226軒をピークに減少。03年度に6万軒台の大台を割った後も減少傾向に歯止めがかからず、07年度は5万3千軒を割ってしまった。
07年度はすべての都道府県で減少。特に北海道と新潟、静岡の3道県は100軒を超える減少となった。
旅館数がもっとも多いのは静岡県で3737軒とただ1県、3千軒台をキープしている。次いで北海道の2903軒、長野県の2902軒、新潟県の2523軒が続く。客室数では北海道の5万4786室がトップとなり、静岡県の5万3592室を上回った。軒数が少ないのは佐賀県で、372軒にすぎない。
一方、ホテルを見ると軒数が減少したのは群馬(4軒減)と徳島(1軒減)、長崎(同)の3県のみで、ほとんどの都道府県が増えている。北海道では25軒増となり、旅館とは対照的な現象を示した。
もっとも多いのは東京都の694軒で、以下、北海道の653軒、長野県の540軒、兵庫県の392軒が続く。もっとも少ないのは徳島県の35軒。
旅館とホテルの平均客室数を比較すると、旅館は約15.7室、ホテルは約81.2室。前年度はそれぞれ約15.6室、約78.7室となっており、その差が広がっていることが分かった。